OpenSolarisとは?
2つの意味があります。
- プロジェクトとしてのOpenSolaris(opensolaris.org)
- 上記のプロジェクトのディストリビューション名としてのOpenSolaris
プロジェクトとしてのopensolaris.org
OpenSolarisを開発するコミュニティ基盤を持ち、様々なOpenSolaris派生ディストリビューションの元となるプロジェクトとなっています。
OpenSolaris系ディストリビューション
- OpenSolaris
- かつてIndianaと呼ばれており、Debianの創始者のイアン・マードックが中心になって作られました。
- 現在はOpenSolarisの開発の礎となっている。
- 事実上、dev/release/supportの3つのツリーがある。
- 再配布が可能
- ポジションとしては、LinuxでいうFedoraにちかい。
- Solaris Express Community Edition (通称SXCE)
- Solaris10とOpenSolarisの新機能を合体した様なディストリビューション
- かつてOpenSolarisの開発の礎となっていました。
- 再配布は不可能で、Sunからダウンロードするのみ。
- 理由は主に、Third Party配布物を含むため。
- 2010年1月31日で配布終了。
- Solaris.next(Solaris10は違います)
- OpenSolarisをベースとした次期Solaris
- まだ全く不明
- ポジションとしては、Redhat Enterprise Linuxに近い
- Nexenta OS(通称gnu solaris、Debian/Ubuntu系)
- OpenSolarisのコアにDebian系のユーザランドを付けたもの
- Belenix
- LiveCDを売りにしている。
- ntfsやext2/3などのリードオンリーマウントができる
- ポジションとしては、LinuxでいうKnoppix的なところ。
- OSUNIX
- ソースビルド指向のOpenSolaris
- 詳しくはIRCの#opensolaris-jpでcodestromさんに聞きましょう。
- Linuxで言うと、思想がGentooとかに近いかもしれません。
- その他、数種、色々
Linuxのディストリビューションと同じで、それぞれパッケージの管理方法違ったり、得手不得手がありますが、基本を押さえてる人にとってはどれも変わらないっていえば変わらないとも言えます。
次のことをイメージしておくと背景が分かるでしょう。
- Linux系OSは、概ね「** Linux」わかりやすい名前であるが、商標の問題で、OpenSolarisのディストリビューションにOpenSolaris、Solarisの名前はつかない。
- Linux系OSにLinuxというディストリビューションはないが、OpenSolarisという名前のディストリビューションがある。
色々、使ってみても良いとは思いますが、以降、本ドキュメントで、OpenSolarisというときは、ディストリビューションとしてのOpenSolarisを示すことにします。
ディストリビューションとしてのOpenSolaris
DEV/Release/Supportの3つのレポジトリツリーがあり、通常手に入れられるバイナリパッケージは、release版です。
- Dev http://pkg.opensolaris.org/dev
- currentのOSで、2〜3週に1度ぐらいのペースでアップデートされます。
- 最新機能が最初に入るバイナリディストリビューションです
- http://defect.opensolaris.org へのバグ報告をするつもりの人が使うとよいでしょう。
- 一人でも多くの方がdevを使ってくれることで、OpenSolarisの品質が向上します!
- Release http://pkg.opensolaris.org/release
- devのマイルストーンです。
- 現時点では2008.11(snv_101)/2009.06(snv_111)がリリース済で、2010.03がリリース予定です。
- その時点でのdevよいもちょっとだけ長いテストを経てリリースされます。
- Support https://pkg.sun.com/opensolaris/support/(要クライアント証明書)
- Sun(現Oracle)によってサポートされているレポジトリです。
- releaseをベースに、マンスリーでバグパッチ、セキュリティホール修正が入ります。
- 有償です。
カーネル、ON、などなど。
作りとメンテナーの体制にも違いがあります。
多くのLinuxディストリビューションの
4 | その他ミドルウェア、ツール群 | それぞれのアプリの開発チーム |
3 | GNU libc, binutils 等 | GNUが作っている |
2 | デバイスドライバ、IPスタック等 | それぞれのチーム |
1 | Linux Kernelとその周辺 | Linusさん率いるチームが作っている |
Linuxのディストリビューションの違いとは、乱暴に言えば、
- それぞれのレイヤでどのバージョンが安定しているかを選び、組み合わせる
- 所々でパッチを充てる
- それらを様々なツールとバンドルして配布する。概ねこれらの違いです。もちろんこれらが、それぞれメンテナンス方針の違いがあったりして、ユーザは好きな物を選ぶことができます。
重要なことは、ディストリビュータはある意味で、基本的生産物を作る主体者にはなっていないことです。つまり、ディストリビュータのレゾンデートルとは、「複数のソフトウェアを組み合わせ価値ある物にするさじ加減の良さ」にあります。
注意)
絵画は完成している形に価値があるわけで100等分された絵画に100分の1の価値はない
1(いち)ディストリビューションとしてのOpenSolaris
4 | その他ミドルウェア | それぞれのアプリの開発チーム |
3 | libc等のコアライブラリ | ON(OS+Network)に含まれるもの、一部は別チーム、別会社 |
2 | OpenSolaris デバイスドライバ | ON(OS+Network)に含まれるもの、一部は別チーム、別会社 |
1 | OpenSolaris Kernel | ON(OS+Network)に含まれる |
OpenSolarisの開発チームは、Kernelそのものを含むONを作りつつ、ディストリビューションの形も作り込み、周辺ユーティリティまで作り込んでいます。
つまり、かれらのレゾンデートルは、「OS全体を作ること」になるわけですが、その中でも最も重要なポジションは「ONを作ること」にあります。
そう言う意味では、FreeBSDに近いと言えるかもしれません。
ソースコードビルディング
多くのLinuxは/usr/srcの下にカーネルを含めたソースコードをインストールすることができます。OpenSolarisでもそれは可能です。
ONのソースをtar.gzでダウンロードする、hgでpullすることで、ソースから最新のOpenSolarisをダウンロードし、ビルドし直すこともできます。
- 2009.06のONのtarボール
- http://dlc.sun.com/osol/on/downloads/b111b/
- hgレポジトリから引っ張ってくる方法
- http://solaris.sunfish.suginami.tokyo.jp/wiki/index.php?title=How_to_Retrieve_an_old_version
残念ながら、多くのLinuxディストリビューションのように、パッケージで簡単にいれて、ビルドすれば繁栄というわけではありませんが、方法はちゃんとあります。
hgは、もともとLinuxのKernelソースを作るために作られた分散レポジトリツールだそうですが、linuxではgitが使われる様になりました。