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Date: 2013/02/22 |  このエントリーをはてなブックマークに追加  |  Tags: Solaris11.1, php5.3, fcgi, fpm, apache, worker, 64bit

Solaris11.1のphp5.3でfpmを使わずにFastCGIを使う方法。Apacheをworker 64bitで利用して効果UP

Solaris 11ではphpは32bit apacheのpreforkでしか動作しません。これはphpがworkerなどで動作させることを推奨していないためです。

昨今のphpアプリは、巨大なメモリをつかうこともあって油断すると、httpdが凶悪にふくれあがります。どのぐらいかというとこのぐらいです。

スクリーンショット 2013-02-22 22.57.29.png

sizeを見ればわかりますが、300Mオーバーのhttpdが何匹もいます。このhttpd達はforkであるため、約300M×個数の数すべてのメモリを使うわけではないですが、それに近いメモリを消費します。

httpdの数は、ウェブサーバが待ち受けできるスロット数のようなものです。これはphpだけでなくcssやjsなどの小さなファイルのやり取りにも使っています。特別なことをしていない限り1つのページにだいたい1つ程度のphpプログラム(.htmlをレンダリングするため)を使うと思います。最近のウェブはリッチなので、1つのページの構成要素はいまや50ファイルぐらいあったりするので、phpだけでなく残りのファイル全て「この太ったhttpd」が応対することになります。

これがmod_phpの最大の弱点です。

これを何とかするにはphpのプログラムを実行するエンジンと、それ以外のファイル転送のエンジンを分ける方が都合がよくなります。これをするにはFastCGIにphpのプロセス管理だけを行わせ、apacheはforkではなくworkerで動くモードで実行させます。php5.3以降ならfpmを使うのがいいのですが、Solaris11.1は比較的簡単にfcgidを使ってこれを肩代わりできるので、使ってみます。

インストール

まずはFastCGIをインストールします。

sudo pkg install -v web/server/apache-22/module/apache-fcgid

モードをworkerにします。

sudo svccfg -s /network/http:apache22 setprop httpd/server_type = worker && sudo svcadm refresh -s apache22 && sudo svcadm restart -s apache22

php.iniはphp-cgiがあるディレクトリ以下でしか読まないらしいので、そこに設置します。正しい方法かわからないんですが・・・。

cd /usr/php/5.3/bin ; sudo ln -s /etc/php/5.3/php.ini .

いくつかのアプリは動かないので、元に戻すならpreforkにしましょう。

sudo svccfg -s /network/http:apache22 setprop httpd/server_type = prefork && sudo svcadm refresh -s apache22 && sudo svcadm restart -s apache22

なーんの問題もないなら、64bitにしてみるのもありです。

sudo  svccfg -s /network/http:apache22 setprop httpd/enable_64bit = true

スクリーンショット 2013-02-22 22.42.53.png

わ〜い。Server APIがCGI/FastCGIになっています。

スクリーンショット 2013-02-22 22.44.25.png

実のところ、prstat -s sizeの出力結果の2つは同じマシンではないのですが、ほぼ同じバージョンのWIKIPLUS 2で試しています。結果を見るとすさまじいメモリ消費はhttpdからphp-cgiが肩代わりしています。FastCGIはリクエストの数だけ増えていきますが、純粋にphpが動くための量しか増えません。1つのworkerはマルチスレッドで沢山のレスポンスが返せるので、ページを構成する残りのファイルはworkerのapacheが応対することになるというわけです。