Date: 2011/10/26 | | Tags: Solaris, OpenSolaris, Howto, 利用法
10/25にようやく弊社のプロダクトWIKIPLUSの新しいバージョンがリリースされました。最初のWIKIPLUSが2005年の9月。実に6年ぶりのメジャーバージョンアップです。Ver1系のWIKIPLUSの最後のバージョンが1.2.8で、2009年に最後にリリースノートを書いていますから、バージョンアップのプレスリリースをだすこと自体も、本当に久しぶりです。
久しぶりすぎて、プレスの人が忘れてしまってる恐れもあります(苦笑)。
実は、WIKIPLUSには3つのバージョンがあります。
1つは現時点でこのブログにも使われている、Ver 1.0〜Ver 1.2.8まであるNadeshiko(なでしこ)。
これが現時点では一番たくさん売られています。ローエンド版のCMS(コンテンツマネジメントシステム:ウェブの編集ツール)です。
2つめは、エンタープライズ版として位置し、行政や、大学などに使われているEnterprise WikiPlusといわれるバージョン。承認プロセスや異常に強力なエディタがついていたりするのが特徴です。KasumiSo(かすみそう)というのですが、世の中に編集画面を出してないですし、過去の私の考えがあってオフィシャルページにも掲載されておりません。
そして、3つめが、今回リリースされるWIKIPLUS 2、Kikyo(ききょう)と言うものです。
同じ製品名を冠していながら、コンセプトは時代にあわせてそれぞれ異なっています。Nadeshikoには、ウェブは「制作会社とともに作るべきもの」であるというコンセプトがありました。制作は制作会社、運用は自分、そういうコンセプトのもとに、分業のしやすさに注力し、売りにしていました。
それなりに愛されたものの、1つの問題がありました。
それは制作会社に払う予算(普通一声30万ぐらい〜)が無いお客さんをどうするかということ。彼らはどうしてもウェブ制作をしないとならないけど、お金がない。でも作りたい。でもブログとかを作りたいわけじゃない。
これを補完する目的で、まずはNadeshikoとセット売りのデザインセレクタ(ワンオフのデザイン集から選んで購入する)をリリースし、その後、デザインパック(共有のデザイン集から選んで購入する)などをリリースしました。これらはいわゆるCMSとデザイン集のあわせ売りで、今も色んな会社さんで行われているビジネスに近い形です。
最初に出したデザインセレクタは、デザインはお客さん独自のものです。いわゆるワンオフ。しかし、購入時にはトップページのデザイン(画像データのみと考えて貰った方がいい)を購入するだけで、あとはデザイナーが動くというもの。つまり、売ってるのはコンセプトデザインに過ぎません。そのあとはバックヤードでプロが動くので、お金を積めば自由度も完成度もあがります。
事実上は、たたき台を買うのにちょっと近いところがありますよね。
制作会社が動いてしまうので、うまく話し合えば良いものができますが、人が動く分、どんなにがんばってもそんなには値段は安くなりません。リードタイムもかかります。我々制作側のプロから言うと「撒き餌」みたいな側面もあり、実のところ最初から声をかけて貰えば、同じお金で一から提案ができたりするというという裏話っぽい側面もあります。
もし、人が動くのに値段が安いサービスが世の中にあるのなら、それはだいたい裏があります。ここでは詳しく説明しませんけれど。。。もしかしたらどっかで誰かが大変悲しい労働をしてることもあります(涙)
一方でデザインパックは、共有のデザインの代わりに、デザイン→コーディング→HTMLまでが行われています。
この状態で販売されているデザイン集もあります。無料のものもあります。この場合、そこから先のデザインのモディファイは、購入者(貰った人)の仕事になるため、
こんなタイプの人には向いています。
僕のブログのデザインは、そうやって無料のデザインを手に入れて、ぼくが勝手にモディファイしています。僕はデザイナーじゃないので、だいたいモディファイするとかっこわるくなります(笑)
まあ、こういうサービスは、そこそこの特殊能力の持ち主しか役に立たないんですが、意外と多そうなのは、提供側の責任分解点がやりやすいのも理由だったりします。
あと、案外こういう人は声が大きかったり、セミプロだったり。近所のパソコン詳しい人がこういう人で、ずっとつきあってくれたり、お仕事として発注できちゃったりする場合、けっこうこれでなんとかなっちゃったりします。
弊社のデザインパックは実はここからもう少し歩きすすんでいて、デザイン部分をどうカスタマイズするのか?というヒアリング・シートがついています。「どこをどう変えたいですか?」という質問は、それなりのプロじゃないとできません。ウェブディレクターが毎回やってる仕事なのですが、そのコンテキストを整理し、最初に営業マンが代理で聞いたり、あるいは自分で読んで返答できるように作られています。
そうすると、営業マンがウェブを売ってこれるという枠組みができあがります。一方で、自分自身でFAXに内容を書いて送ったりできれば、あとは見えないところでプロがよろしくやってくれるとメリットもあります。
情報のやり取りが「デザイン毎に定型化」しているため、打ち合わせ費用があまりかかりません。1つのデザインを作るのにコストがかかりますが、代わりに共用デザインで途中まで作られているので、人件費がかからないため、そこそこ安く提供できるのが特徴です。あと、割と写真と文言変えると違うサイトにみえるという理由もあります。
ということで、これが従来のWIKIPLUSの売り方の売れ筋であり、あるいは1からちゃんと作る(制作費がかかる)のどちらかでした。
さてKikyoです。Kikyoはこれまでのコンセプトと全く異なる視点からスタートしました。
実はWIKIPLUSには、元来から、
こんな目標がありました。
どうしても自社サイトを作らないとならない中小零細企業の方がいたとします。
ウェブで自社の強みをアピールしたいとき、ウェブを「つんつん」と突いて、さらに「ごにょごにょ」自社の強みを書いているうちに、なんとなく「私のウェブ」ができあがれば最高です!
これがまさに「Kikyoのコンセプト」です。
世の中にこういう商品はないのか?と、今年の12月に、少なくても日本中のありとあらゆるCMS+デザイン集を触ってはみたのですが、どれもこういうコンセプトではなく、CMSを売るためにデザイン集をパックにしているか、デザイン集を売るためにCMSとセットにしてるか、どっちかでした。
もっとこう「ちくちく」触ってるうちに、なんか「これで良いんじゃないかな〜」と思えるような仕組みが欲しい。
これって本当に素敵なことで、自分で「これで良いんじゃないかな?」と思えるウェブなら、試行錯誤ができます。もしも自分の事業に関連することがニュースになってるのならば、「うちの商品ならこんなことができますよー」とかアピールできたりもします。腫れ物ではない自分のウェブサイトです。
たとえば僕が新しい会社を作ったときに、黙々とアピールを考えてウェブをつくるならどうするかなとか。
そんなことをイメージして行き着いたのは、必要なのはCMS+デザインではないんじゃないか?という結論が出てきたのです。
新しいWIKIPLUSが、「かんたんに編集できるウェブ(ホームページ)WIKIPLUS」と、題してるのはそこで、欲しいのはCMSでもデザイン集でもなくて「ウェブそのもの」だと考えたからです。
ウェブ制作会社として動いてると、意識が高いお客さんは、コンペディタ(対抗相手)のウェブサイトを印刷したりして、こんなウェブが欲しいと言われます。これをオリジナリティが・・・とか叱責する人がいますが、でもぶっちゃけそういうものだとおもうんですよね。
自分の事業についてA4、5枚に書けと言われても、なかなかできません。
でも、1ページ目に創立の日、沿革、取引先、取引銀行をかけと書かれていて、2ページ目は会社の社会的な役割を書く。3ページ目に商品一覧・・・などとお手本が書いてあれば、なんとなく、それを見ながらそれっぽいものができます。
実は一番欲しいのはそこ、つまり骨子というか枠組みというかだったりするんですが、普通はこれが整理できないんです。というか、できるならその人はプロなのですよ(笑)
WIKIPLUSは編集できるウェブサイトそのものですから、まず業種を選んでいただき、その業種の王道の骨子(サイトマップ)を持ったウェブサイトがすぐできる。そうなると、その中で自分たちになりに変えたいところがでてくる。社名とか、沿革とか、取引先銀行とか。そしたらそこをクリックして書き換える。置き換えたい写真がある。そこをクリックして置き換える。これを繰り返すと、そのうちそれっぽいウェブサイトができる。
軌道に乗れば、自分のオリジナルのコンテンツを作れるようになり、愛でているうちにオリジナルサイトが出てきます。じゃあ、どうやって軌道にのってもらうのか?そのためのナビゲーションツールも必要です。
WIKIPLUSがユーザに体感させたいのはまさにそこなんです。
ツールとしてのCMSはWIKIPLUSのパーツのほんの一部でしかなくて、編集できるウェブサイトにするために、ユーザインタフェイスや、機能に「かくあるべき」姿が生まれます。それはCMSとしてつくられたものではないのです。
そして、この企画立案と主旨が僕の中でまとまるまでにまず2ヶ月かかりました(笑)
さらにこれをツールに落とし込むのに10ヶ月ちかくかかりました。僕も相当量、プログラムを書きました(笑)
かくあるべき姿をナビゲーションする制作ナビから、直感的に触れるエディタ、UIに至る前でほとんど全てがコンセプトから練り直したものになっているので、「会社のホームページをつくんなきゃならないんだ」っていう人を手助けするための機能をコツコツとつけております。
だからまずは是非、触ってみて欲しい。そこで60日間無料体験なのです。
是非、こんな人には、使ってみてください。
そんな人に使って貰えたら、設計者としてとてもうれしいです。
あ。
最後に、体験アカウント作るためには最初に契約がいるとか、何から何まで個人情報を渡さないとダメとか、そういうことしてないので、まずは60日触ってみてくださいね。さすがにメアドだけ要りますけれど。
ということで、エンジニアリングな中身の話はまた今度。