HOME / スマフォTips / モバイルバッテリー / モバイルバッテリーの容量「mAh」ってなに?

Date: 2012/02/03 |  このエントリーをはてなブックマークに追加  |  Tags: 急速充電, 充電電池, 電源, USB電源, USB充電池, iPhone, iPad, Android

スマフォのためのモバイルバッテリーの容量とは?

スマートフォン。私はiPhoneとAndroidの2台持ちをしています。さらに最近はiPadも。iPhoneもAndroidも持っているのは、両方の善し悪しを把握したいからです。

スマフォは一般的に電池食いです。ガラケーの頃に比べてケータイでできることが増えたから、思わず使いすぎている面もありますが、機能を押さえて節電すると色んなソフトをインストールできないなど、せっかくのスマフォなのにジレンマが発生してしまいます。

そこでモバイルバッテリーが活躍です。

電気屋に行くとそれこそ百花繚乱な様々な商品がありますが、実はいろいろと癖があります。iPhoneには充電ができなかったり、充電が妙に遅かったり、充電途中でスマフォがリブートを繰り返すのがあったり……。

ネットで調べると噂だらけです。○○はうまくいった。○○はうまくいかない。良いような気がする、充電時間が早くなったような気がする……など。そんな気がしてるだけじゃないの?と、疑わしいものもあります。まぁ、結果、うまくいってるなら良いのですが。

裏付けがわからないと気になりまくるエンジニアリングオタクとしては、モヨモヨした気分でいっぱいになってしまいます。きもちわるいってことで、ちゃんと調べてみることにしました。

 

まず最初に、良いUSB充電電池(モバイルバッテリー)とはなにか?という定義付けをしてみました。

  1. ちゃんとスマフォに充電できること
  2. 長〜く放電できること=容量が十分ある
  3. なるべく邪魔になりにくいこと=形、重さ

などなど。

当たり前のことばかりなのですがどれも重要です。特に、容量に関しては、

高容量 ○○○○mAh 搭載!

など、たいていの製品には書いてあります。

大きい方が良いに違いない!と、見ればわかります。しかし、本当に大きい方が性能が出てるのか、僕のスマフォで充電できるのか?などなど、悩み物です。

この数字で単純比較して良いのでしょうか?

電力の基本のき。

よくモバイルバッテリーに書かれているAhというのは、その電流を1時間流し続けられるという意味です。

たとえばリチウムイオン電池 3.7V/1400mAh搭載のモバイルバッテリーなら、単純計算で3.7V/1400mAを1時間流すことができるという意味になります。

充電容量を理解するには電力のことを知らなくてはなりません。

電力は下記の式で算出できます。

電力W(Wワット)=電圧V(Vボルト)×電流I(Aアンペア)

です。つまり、3.7V/1400mAhという電池は、

3.7V × 1.4 Ah = 5.18 Wh

5.18Whのエネルギーを持つことになります。

一方、単3充電電池のエネループはニッケル水素(NiMH) 1.2V 2000mAhなので、

1.2V × 2.0 Ah = 2.40 Wh

ということになります。

欲しい電源はUSB電源です。規格上、5V/500mAですから、ワット数に計算すると、

5.0V × 0.5A = 2.5W

です。2.5Wの電力を1時間流し続けるには2.5Whが必要です。

となると、単純計算で、

  • 3.7V/1400mAhのリチウムイオン電池は5.18Whですから、
    • 5.18Wh ÷ 2.5Wh = 2.072h = 2時間4分、つかえます。
  • 1.2V/2000mAhのニッケル水素電池は2.40Whですから、
    • 2.40Wh ÷ 2.5Wh = 0.96h = 57分、つかえます。

ということになります。

定格容量を知るなら、mAhではなく、mWhを見ましょう!ところで、実際の回路のブロック図は、下記のようにDC-DC変換回路が入っていす。

DC-DC変換図

この回路を通るときには電力のロスが必ずおき、これを効率といいます。

単純計算の理論値では効率100%なのですが、実際にはDC-DC変換器の性能からこの回路に使う電力、またケーブルのロス、充電に使うスマフォ側のロスなど様々なロスがおきて、これよりもずっと少ない値になるハズです。

したがって、このDC-DCコンバータの性能もモバイルバッテリーを選ぶポイントになりますが、これがさすがに書いてあるモバイルバッテリーはみたことがないので、ベンチマークして調べるしかありません。

ベンチマーク(製品レビュー)は、こちら