Date: 2008/11/12 | | Tags: Solaris, OpenSolaris, Howto, 利用法
このサーバは試験的に、OpenSolarisOSでうごいているのですが、先日から、ご存じの通り、ずっとおちておりました。
すみませんね。
OpenSolarisOSのこのところの問題は、猪突猛進さんのブログでも書いてありますが、私も、同じはまり方をしてしまいました。
ZoneとIPS回りが色々大変のようですね。
結果的に猪突さんにアドバイス頂いた形でアップデートできたものの、うちのかわいい担当社員と相当はまりましたわ(笑)
私は、ノートにはSXCE(Solaris Express)を使ってるんですが、そっちの方がよっぽど安定してる感じです。少なくても今のところは。ただSXCEはそのうち無くなりそうではあるので、このブログを見てる方が新たに使い始めるのでしたら、OpenSolarisOSをおすすめしますが((なお、OpenSolaris 2008.05をアップデートすると、RC1Bになります。ですから、最初から最新のisoをダウンロードすることをおすすめします。最新のisoは、弊社の配布サーバにミラーされています→http://dist.justplayer.com/OpenSolaris/))。
色々掲示板を見ている限り、現在はOpenSolaris 2008.11へのアップデートのために、大きなメジャーアップグレードが入っているのだろうなぁと想像できます。わかるんですが、好意的に見ても、それにしてもきつかったです(笑)。
OpenSolarisは確かに、開発版OSとはわかってはいますが、相当、開発版であるということを痛感しました。(開発版とわかってながら利用するのは、開発時にはまった経験は深い理解に繋がり、いざ次の時代にシフトしたときに安定版の運用に相当、役に立つからです。)
うちも、WikiPlusの開発版のアップデート時には、毎度ドッグフードテストで、社内の人に相当苦渋を味あわせているので、まあ毎度、他のチームの人はこんな感じだったんだろうなぁと思いました。はい(笑)
ただ、いままで事実上開発版しかなかったOpenSolarisOSですが、OpenSolaris 2008.11以降、どうやらここにあるとおり、Release版がでるそうです。これには相当期待しちゃうかなあ・・・
先にいっておきます。これは正直、思っている話であって、批判したいわけではありません。私はSolarisもOpenSolarisも大好きですし。
LinuxのOpenさになれた我々にとって、無償で使えるSolaris10は、いまだ有償のOSのままに感じます。
これは、Redhat Linux Enterpriseの有償さと似ています。
無料のOSの定義はいろいろありますが、オープンなプロダクトのメリットの一つに、「ユーザが製品知識として、どこまでが有償でどこまでが無償であるかを、意識する必要がない」ことがあります。
SIをやるからには利用するプロダクトのことは熟知しないとならないのですが、有償と無料の境目を意識するのは、エンジニアとしては案外面倒です。営業さんに電話して聞きたくなってしまいます。
なぜ面倒なのか。
たとえば以前、MS社のIEに関する独禁法問題の時に、IEはOSの一部かどうか、様々な議論が展開されました。私としては、WindowsがIEをOSの内部コンポーネント化したことに関しては技術的な理解をしましたが、少なくてもそこにはある種のモチベーションが働いたと私は考えていました。「技術的ではないモチベーションが働いたのだな」と。
もちろん、これは金を稼ぐという考え方に直結したモチベーションかもしれませんし、ユーザを広げるという間接的なモチベーションかもしれません。真相はわかりません。
ただ、同じようなMSプロダクトは、ほぼ全てのプロダクトでありがちな芋づる式の製品同士の依存関係があります。
どんなプロダクトでも、製品同士の技術的依存はあります。
しかし、商用アプリでは、技術的な事由だけではなく、時に様々なモチベーションをもってリリースされます。弊社のWikiPlusも安価なCMSではありますが、しばしば技術的以外の依存関係に悩むことがあります。依存させたら依存させた人達に対して責任が発生します。ですから、なるべく意味のない依存は外そうと努力するのですが、依存の魅力に勝てないときもあります。
一方で、ここで見えてくることは、Linuxのようなオープンプロジェクトのメリットの一つに、技術以外の余計なモチベーションが少ないことが上げられると考えられます。
めんどくさくないんです。
そしてSolarisです。
Solaris 10は、無償で使えます。
しかしSolaris 10を無償で使うには、どこまでが無償でどこからが有償であるのか、あるいはSunがどこでお金を稼ぎたいというモチベーションをもっているのか。ある程度技術者が理解しないと、あるところでムダなトラブルがおきます。
実は、これと似たことが、Linuxの世界でもRedhat Enterprise Linuxには、しばしば発生しています。結局の所、まったく同じです。extraへの分け方、古いバージョンではRHNにしかないもの等、私にとっては「余計なモチベーションが働いたんだな」と認識せざるを得ないものも多々ありました。・・・それにしてもRHELのライセンスはとても高いですよねぇ。Solaris10を何個サポートにはいれるんだろ・・・(笑
Solarisは無料になったのか?といえば、無料になりました。sun.comから無料でダウンロードし、無料で使えます。そしてSolaris以外でも無料でダウンロードしてSunの凄い技術を利用し、体感することが出来ます。たいした物だなぁと思うところも多々あり、これを触ってるだけで、エンジニアリングオタクとしてはワクワクしてきます。たぶん、今私に「一番面白いゲームはなに?」と聞いたら「jp.sun.com/download/かなー」って答えると思いますね。何度徹夜したことか(笑)
そして今はOpenSolarisという完全に無償のOSがあります。
これをLinuxでいうのならば、Fedora Projectのポジションに似ています。たまに仕様が変わりますし、利用者は自分もデベロッパであることを意識せざるを得ない時があります。
もちろん、これはこれで面白いんです。
問題は、インフラシステム設計者としての我々は、サーバシステムにFedoraのポジションのOSを使う勇気は無いのです。ですから、フリーのRHELであるCentOSを利用します。サーバOSとして安定とミドルウェアの仕様変更が伴わないことを重視していますから。
問題は、SolarisにはCentOSに相当するものが無いことなのです。
なぜ、RHELでなくCentOSか?
我々はいくつかのプロジェクトでCentOSを利用しており、時にRHELを購入します。大体、サーバ台数的には半々のような気もしますね。プロジェクト数的にはCentOSが圧倒的に多いのですが、RHELを買う案件はサーバの台数が多いので、サーバの台数的には結果的に半々ぐらいになるのです((ただし、ウチの規模感の案件による))。
では次に、なぜRHELやCentOSを選ぶんでしょう。
出来が良いからでしょうか?
残念ながら違うんですよね(笑)
理由は簡単で、メジャーなディストリビューションのLinuxにしておけば、あとでお客さんも自分も困らないことが多いからです。
実は私はLinuxのc/s((コンテクストスイッチ、man vmstatで見ましょう))の挙動とDisk Cacheの動きが嫌いです。だからSolarisを使うのですが、Solarisが無償で使えなかった時は、FreeBSDを愛用していました。簡単に言うと「出来ればLinuxは避けたい派」なのですが(笑)、仕事ではLinuxを使うのです。
それゆえに、Redhat Linuxは、Ver 4〜9まで使っていました。
ところがRedhatは9で終盤し、我々は、お高いRHELと、Fedoraを選べという決断を迫られました。Fedoraは面白いのですが、ちょっとServer向きでもなく、出来ればRHELを使いたい。でもRHELは有料なので、我々の規模感で、10個ある案件うち7個ぐらいの案件の、「OSにお金をかけていられないプロジェクト」では、他のLinuxを使わざるを得ないのです。おそらく同じ問題にぶち当たったSIベンダやSE会社は多いはずです。我々はレンタルサーバ事業を持つので、他社レンタルサーバ業者の様子をしばしば観察していたのですが、RH9の後のOSを探すのに手間取っていたようですね。RHELをプレミアムで買うか、Fedoraをつかうのか、色々割れておりました。
あの時期、恐らく他のディストリビューションに逃げた人は多いと思います。実際、うちの会社もSUSE系に行くか、Debian系に行くか、悩んでいました。
悩んでいたところ、CentOSが出てきたのです。
これは我々にとっては福音で、お金が出ない案件はCentOSを使うようになりました。この結果、OSにお金がでる案件はRHEL((ある種のミドルウェアがCentOSでは動作保証をしていなく、RHELを推奨するものがあるのですよ。それはよくわかる話です :) ))を安心して使えます。同じ技術で2つを扱うことが出来るからです。
ここで考えるのは、CentOSが無かったらどうなってたのであろう?ということです。恐らく、世界中に沢山いるRHを使った技術者の何割かが、別のディストリに逃げたでしょう。
これは、RH社はわかってたはずです。なぜなら、我々がRHをたまたま手に取ったのは、
ぐらいの理由しかないから。でもそう言うOSを使って、新しい若い技術者はOSを覚え、彼らが実績を残せる頃になってエンプラでOSにお金を払うんだと思います。RH社はそれを百も承知のはずですよ。
なぜなら我々の世代がSolarisを使えるのは、UNIXに手に届く大学生のころに、駆け出しのSunOSがそこにあったから。
そこから技術者を奪ったのは他ならぬRH社なのですから。
となると、CentOSをもっとも歓迎したのはRH社ではないかと、邪推したくなるのです。
だって、一番得をしているのはRH社ですからね。
ちなみにユーザはここでは金銭的な得をしてないんですよ(笑)なぜならこのようなケースでは、最重要要件に「OSが無料であること」が上げられているのですから(笑)CentOSが無かったらRHELにお金をはらうんじゃなくて、別のサーバ用無料Linuxを見つけてインストールしただけですよ(笑)
私が好きなSolarisはどうなんでしょう。
上の意味では、Solaris10はRedhat Enterprise Linuxのポジションにいます。Solarisは無料で使えるのに、RHELは無料でつかえないんですけどね(笑)なぜかというと、どこまでが無料なのかを意識しないとならないからです。若干疑問符が残ります。様々な理由で、私の身の回りにはいまだにU1から事実上アップデートできないマシンが残っていたりするわけですね(笑) :)
OpenSolaris OSは、先に述べたとおり、Fedoraみたいなポジションにいます。
新しい物がガンガンはいってきて、非常に魅惑的です。同じように完全に無料ですよね。
問題は、ここにCentOSに相当するものがないのです。
個人的には、2008.11のRelease版が、CentOSの立場になってくれたらいいのになぁ。とおもってはいるのですが、まあ期待は薄いでしょうねぇ。
逆にSXCEが安定指向にシフトして、CentOSの立場になってくれたらうれしいのですが(笑
難しいですよねえ。
やっぱり、OpenSourceなので、別なOpenなSolarisを勝手に作って育てるべきなのでしょうか。でも、それだとすでにNexentaやBeleniX等があります。
でも、それだと何か思ってるものと違います。
恐らく我々は、最初から金を払うつもりがないけどEnterpriseで使える、無償Solaris((もうわかるでしょうが、あるところまで無償であるところから有償というものではなく・・・ということです))を欲しているのかもしれません。
ま、都合の良い話ですけれども(笑)
ユーザって我がままですよね。
念のため、書いておきますと、
OpenSolaris 2008.11 RC1Bはミラー済みです
なにもこんなエントリで・・・っておもうかもしれませんが、面白いので、是非皆さんどうぞ(ホントにそう思ってますよ!!)。
ちなみに私たちがはまったのは、ZoneのUpdateではまったので、初めて使う分には、そんな問題はないかと(笑
Pasie. (2008-11-19 (水) 23:09:01)~~
これは皮肉ではなくて~ここをちゃんと説明できると、営業的に有利になれたり…するといいんだが_| ̄|○~
瀧 (2008-11-13 (木) 10:21:11)~~OpenSolarisでWikiPlusを動かすという実験もかねていたので。~~それにしても、やられましたわん(笑)~
chototsu_moushinp (2008-11-13 (木) 06:26:27)~~それだったのですか(笑)~OpenSolaris2008.05は有償サポート付きのディストリですよ。~このバグのサポートを依頼したらどんな対応をしてくれるのでしょうか。ちょっと興味があります(笑)~RHEL高いですよね〜、Solaris10ならサポート付けても安いのに。~でもSunって知名度が低いですからね。~「Solaris?なにそれ、ゲーム?」~「それはテトリスや!」~という会話を何度もしております。~